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有機合成薬品工業に対する解雇撤回を求めて、本日の陳述に臨みます。
まず、解雇の理由が全く以て納得できません。私は大学を新卒で入社し、7か月で会社から能力不足を理由とされて解雇になりました。しかし、会社側は解雇を正式に言い渡した時でも具体的に何をもって能力不足なのかを答えることが出来ませんでした。ただ、現場から「同じ間違いを繰り返した」などの報告があったことだけが伝えられました。
私は、遅刻や無断欠勤は一回もしていません。会社から処分を受けたこともありません。
むしろ毎朝30分早く来て実験の練習を重ね、正確な量の試薬や液体を量り取る技術を身につけました。しかし、その技術を実戦で活かす機会も無ければ業務が出来るレベルに達するような追加教育もありませんでした。
正確な分析には、一滴にも満たない量の液体を垂らすなど熟練の技術を必要とします。大学を出たからといって、すぐに出来るようなものではありません。多くの労働者の話を聞くと「学校を出たらまた一年生から始まる」それ位仕事の世界は厳しいということと、逆に言えば、それだけ多くのことを会社は指導しなければならないという手厚い教育の必要性も示しています。
しかし、会社側は業務の簡単さを主張し、それが出来なかったから能力不足だ。だから解雇だとしています。私や労働者の先輩方は、自らの仕事や専攻分野に誇りを持っています。この間の会社側の姿勢はそれを愚弄するもので怒りを覚えます。
実際のところ、入社一か月半で指導役による実技指導がほとんどなくなり、一人での実験か自習のような課題がほとんどになりました。一日8時間のうち3時間ほどしか仕事がない日が続きました。そして9月に入って一日1時間以上の面談が何日もあり、解雇が決定してからは一日中パソコン作業を命じられました。これは、本来の業務とは関係のないものが多く、適性を見るというより自主退職を促す手段であると感じられました。連日のパソコン作業や面談によって、私は精神的、肉体的に追い詰められました。解雇や雇い止めによって青年が社会に居場所をなくし、自殺や引きこもりが社会問題になっています。一方で、こうした現状に責任を負うべき経営者は、労働者の命や人生を奪っておきながら、処罰はおろか実名すら公表されません。
現在、青年労働者の3分の1が3年以内に離職し、二人に一人が非正規だと言われています。私も含む多くの青年労働者が何百万円の奨学金を背負って、大学での研究も十分にできないまま一年近くを就職活動に費やしています。「ブラック企業」が社会問題になっているように、労働者を酷使し不必要になれば使い捨てる会社や社会のあり方は、絶対に許されるべきではありません!少子化や技術を持ったベテランの大量退職で労働力不足が深刻な中で、青年は本来貴重な存在であるはずです。地球規模での環境破壊や戦争、身近な地域で相次ぐ災害や、原発事故の収束など社会には解決すべき問題が山のようにあります。だからこそ、安定した雇用のもとで青年に熟練の技術を伝え、世界中の知見に触れさせて新たなものを生み出していく必要があると考えます。私は化学製品を通じて、世界や将来の子どもたちのために仕事がしたいと考えて有機合成薬品工業に入社しました。就職活動では30社を受けてたった1社、私を信じて採用してくれた会社で定年まで勤め上げたかったです。
しかし、解雇になり社宅や保険、奨学金といった生活の全てが、解雇によって奪われました。今の私に出来ることは、解雇撤回闘争を職場復帰の日まで闘い抜くことです。そして、社内組合を職場で団結して闘う組合に変えたいと考えております。
28年前の国鉄分割民営化によって解雇された労働者が、不屈に解雇撤回を目指して闘争を続けています。その闘いが金銭よりも解雇撤回と職場復帰にこだわって闘い続けることで、時代や職場や国境を超えて団結を生み出しています。
私も、いわき合同ユニオンの仲間とともにこの一年間に2回の団体交渉や工場門前、本社前での抗議行動をしてきました。最近は休日に解雇撤回署名の街頭宣伝を行っています。いつも、通りがかる皆さんから「頑張って」「こんな解雇は聞いたことがない。許せない」と声をかけて頂き、解雇撤回署名や多額の裁判支援カンパを寄せてくださいます。署名は716筆に達しました。全国で行われる労働組合の集会のたびに多くの署名やカンパを皆さんから頂きました。私がこうして裁判ができるのも、街頭で出会った皆さん、継続的に支援してくださる「いわき合同ユニオン支援共闘会議」の皆さん、そして解雇撤回に取り組む陣形を作ってくれたいわき合同ユニオンの仲間のおかげです。
この世の中で解雇をはじめ労働者への不当な扱いに怒る人々とともに勇気をもって闘い、労働運動を通じて誰もが人間らしく生きられる社会を目指して裁判に臨みます。
(以上)
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